自分の命を支えるために

地球と草原のイメージ画

植物は自らの力で生きている

私たちのカラダは酸素、炭素、水素などの元素から成り立っています。これらの元素はすべて地球上の元素からきています。つまり、地球上の元素を無機質のかたちで植物が摂取し、それを蓄えた植物を草食動物が食べる。そして私たち人間はその動物や植物を食べて、生命を維持しています。人類が地球上に姿をあらわしたのが、600万年前といわれています。ところが植物はそれよりも遥か昔の4億年も前でした。進化のレベルが人間と決定的に違うのです。植物は人間の何千倍もの時間をかけ、環境に適合するために進化を遂げてきました。植物は必要な成分や養分を地中から吸い上げ、蝶や蜂などの生きものに花粉を媒介してもらいます。成熟すると今度は色や甘い香りで動物を誘い、彼らに食べてもらって棲息エリアを広げるなど、驚くような工夫をしているのです。

どんなに厳しい環境でも、そこから動くことができない宿命

春、夏、秋、冬と季節が巡り、豊かな水や緑、森や黒々とした大地に育まれて育つ日本の植物。かたや理想な生息環境とは打って変わり、強い紫外線や乾燥した空気、昼夜の温度差が30度もあり、さらに年間降雨量は日本1/4近くという厳しい環境下で生きなければならない植物もいます。その植物の名前は今回、ご紹介するルイボス。彼らは自らの力でどんな刺激にも耐えうる活性力を作り出しています。アフリカ大陸南端。南アフリカのセダルバーグ山脈地帯だけに自生しているルイボスは細い葉を持ち、黄色の花を咲かせます。落葉すると葉が赤くなるマメ科の針葉植物です。乾燥した大地と水分が少ない環境下で生きるためには、光合成を行う葉は大切になりますが、栄養分を休みなく吸い上げる地中の根の働きがもっとも重要で、根の長さはなんと3~10mほどになります。1本のルイボスが自分の命をかろうじて支えるために細かく巡らした根から日々、ミネラルや鉄、カリウムや亜鉛やそのほかの成分を休みなく努力して吸い上げながら、命をながらえているのです。