花粉症とは、一言でいえば「花粉が原因のアレルギー疾患の一種」。カラダの中の免疫機構が花粉を細菌と同じように「カラダに害を及ぼす危険なもの」と判断して、これを排除しようとするカラダの働きの結果なのです。具体的には目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが続きます。
医学では生きていく上で必須な免疫反応の中で、カラダに不都合な免疫な反応を「アレルギー」と呼んでいますが、なぜ今になってスギ花粉が悪さをし始めたのでしょうか?
花粉症は昔にはなかった現代の病?
日本で初めてスギ花粉症の症例が認められたのは、今から約60年前。1963年のことでした。患者さんは、栃木県日光市に住む青年男性でしたが、日光のスギ並木は400年前近くに植えられたもので、スギ花粉は昔から飛んでいたのです。ということは、昔の人はスギ花粉を異物としてアレルギーを起こすことがなかったと推測できます。
スギ花粉症は、第一号患者が出た1963年から毎年のように増えていくのですが、1960年代の中頃は結核や寄生虫の感染者が減り、清潔志向が高まっていく頃と重なります。それと同時に、その他の花粉症やアトピー、ぜんそくなどのアレルギー疾患も猛威をふるい始めました。
花粉症のつらい症状の正体は「抗原抗体反応」と呼ばれるもの
有害な生物やウイルス、物質がカラダに入ってくると、この反応が起こります。ここでそのメカニズムについて、ご説明します。
花粉侵入
ヘルパーT細胞が異物と判断し、B細胞に抗体を作るように指令。
B細胞がIgE抗体を作る
作られた抗体は蓄積され、花粉の侵入に備える。IgE抗体が過剰に反応して、自分の体を攻撃し過ぎる。
再び花粉侵入
鼻粘膜・目・喉の肥満細胞がIgE抗体と結びつく。肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質を放出する。
症状が現れる
- 異物ととらえた花粉を洗い流すために鼻水が出る
- 花粉を吹き飛ばすためにくしゃみが出る
- 花粉が更に侵入するのを防ぐために鼻が詰まる
- 免疫細胞が作り出す活性酸素により、様々な炎症が起きる
抗ヒスタミン剤を飲む
これらの症状を抑えるための対症療法として、抗ヒスタミン剤を飲む。
副作用が出る
抗ヒスタミン剤により炎症を無理やり抑え込むため、症状は少し減るが副作用が出る。
- 眠くなる
- 粘膜や皮膚などが全て乾くので、バリア機能が衰える
- 太る
- 倦怠感におそわれる
このメカニズムに対抗するために用いられる抗ヒスタミン剤は、悪循環を招いているだけなのが分かりますね。
花粉症になる人とならない人
同じ環境で暮らしているのに、花粉症になる人とならない人がいるように、ヒトの免疫力と大きく関わっているようです。免疫がきちんと働いていると、菌やウイルスなど自分の体にとって不都合な異物が侵入してきた時や、自身の体の中に不都合な新生物(ガン細胞など)が発生した時に、免疫細胞がこれを攻撃して自分の体を守ります。
ガン細胞をやっつけてくれるNK細胞(ナチュラルキラー)は、良く知られています。要は、免疫力が低下すると、感染症やガンにかかりやすくなるということです。
花粉症のメカニズムで、花粉が侵入した時、免疫細胞の一つであるヘルパーT細胞が異物と判断するとお伝えしましたが、なぜ無害であるはずの花粉を有害と判断して、抗体を作るよう指示してしまうのでしょうか?これは、広い意味での免疫力低下により、ヘルパーT細胞が正常に働けなくなったと考えられています。現代人は、子どもの頃から清潔すぎる環境で暮らしているため、菌やウイルス・カビに対抗して働く免疫の力を身に付けていないことも原因とされ、あえて体の中に微量の菌を入れるBCG(結核のワクチン)接種による花粉症治療も行われるようになりました。
花粉症に効く万能薬ってあるの?
健康情報が、巷にあふれかえる現代。自分に合った治療法や予防法を見つけ出し、健康を手に入れる人は数多くいます。しかし、中には効くと言ってもごくごく一部の人にしか効果のない対策であったり、しばらくすると淘汰され消滅するような不確かな情報が含まれていることも事実です。
伝える側にとって、アレルギーは難しい病の代表格とされてきましたが、ここにきて根治の鍵となる「Tレグ」という変わった名前の免疫細胞を、意図的にコントロールする臨床試験の結果が、将来に向け、明るい兆しを見せています。しかし、現時点では万能とは言えません。とは言え、昭和30年代まではスギ花粉に対して過剰な免疫反応を起こさなかったのですから、今日からでも生活習慣や食事を見直しましょう。
症状を悪化させないために
- マスク、帽子、衣類を工夫し、花粉を持ち込まない
- 食事内容を見直す(丹羽療法では、免疫疾患系の患者さんへ独自の食事指導を行なっています)
症状を改善させる
- 天然の抗ヒスタミン物質を摂る
- ルイボスティーには天然の抗ヒスタミン作用を持つ成分が含まれるので、濃縮したもの(ルイボスTX)を症状が現れる2ヶ月前くらいから飲む
- 日本食中心にした献立にし、消化吸収を良くするため、しっかり咀嚼して食べる
免疫の働きを良くする
- 活性酸素を除去し、免疫力を上げる抗酸化食品「SOD様作用食品」を摂る
- 腸を冷やさないよう冷たいものを飲食することをやめ、発酵食品や繊維質の多い食品を摂る(腸内環境を整えることで免疫力アップ)
子どもの頃から免疫力を養うため、必要以上に除菌をし過ぎない
過酷な環境に生きる植物の不思議な力
アフリカ大陸最南端、南アフリカのセダルバーグ山脈地帯だけに自生しているルイボスは黄色い可憐な花を咲かせるマメ科の針葉植物です。乾燥した大地から水分と養分を吸い上げるため、その根は地中深く3メートル以上にも 伸び、張り巡らせた根から鉄・カリウム・亜鉛やその他のミネラルを吸い上げ、蓄えています。昔から地元の人たちは、病を治してくれる貴重な植物を、ルイ(赤い)ボス(藪)の奇跡として、大切に育ててきました。植物はすべて自分の体を紫外線の活性酸素から守る抗酸化能力を持っていますが、特にルイボスの赤い色素が持つフラボノイドの抗酸化力は、緑茶やウーロン茶の数十倍といわれています。また、特筆すべきは、ルイボスがもつ抗ヒスタミン作用です。炎症研究の第一人者、丹羽耕三博士はその論文の中で、アレルギー疾患の患者さんに対するルイボスの臨床結果を発表しています(表1・表2)。
「ルイボスティーにはアレルギー反応を惹き起こす犯人であるヒスタミンを抑える力のあることが知られたが、実際にアレルギー患者に内服させた治療結果を、表1に示してみると作用が出現する即効性では他の医薬品には及ばないが、有効率はかなりの高率で見られた」「ルイボスティーは、熱、痛み、腫れなど一般の炎症反応で生じる諸症状を始め、SOD剤と違って、痒み、発疹、喘息、鼻炎などのアレルギー性疾患といった具合に、非常に広い範囲の薬理作用のあることが知られた」とまとめています。このルイボスティーを、治療用に濃縮焙煎しフリーズドライにより粉末にしたものがルイボスTXです。ルイボスを始め植物は栄養分とともにフラボノイド※やミネラルなどの抗酸化成分を、体内に溜め込んでいます。ルイボスの抗酸化力は緑茶やウーロン茶の数十倍といわれ、フラボノイドは100g中、約38mgも含まれています。
※フラボノイドは植物に含まれている色素成分。アトピーやアレルギーの原因になるヒスタミン物質の作用を抑える力があることでも知られています。日本免疫研究会では免疫力を高めるSOD様作用食品と、副作用のない抗ヒスタミン剤としてのルイボスのエキスをお薦めしています。
ルイボスティーに含まれるポリフェノールのひとつである「ケルセチン」は、血液サラサラの玉ネギ健康法で有名になりました。ケルセチンの特長として、「関節痛緩和・血管の正常化・ヒスタミンの生成抑制」などが知られています。
親和性の高い効果や作用
全世界の「茶」の総生産量のわずか1%にも満たないルイボスは、希少価値の高い植物で、セダルバーグ山脈地帯でのみ、無農薬で栽培されています。ルイボスは、有効成分を濃縮した粉末タイプとティーバッグの煮出しタイプがあり、お茶としてお楽しみいただけます。日本茶と同じように等級があり、アオバでは最上級の茶葉「スーパーグレード」を使用しています(南アフリカ政府が管理・品質保証をし、葉の部位や色、香りや味によって選別されます)。