秋になると、なぜか食欲が増します。時候の挨拶に使われる「天高く馬肥ゆる秋」は、語呂は美しいですが、肥満を気にする人間にとってはあまりありがたくない言葉ですね。秋に食欲が増す原因はいくつか考えられますが、その一つに、日照時間が短くなることによる、セロトニンの減少があります。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質で、太陽光を浴びることで増えることが知られています。秋に美味しい栗やイモ類の糖質は脳を満足させ、セロトニン不足を補ってくれるためついつい食べ過ぎてしまうのかもしれませんね。
さて、冬眠をしない人間にとって、寒い冬の間のエネルギー代謝を高め元気に過ごすため、正しい食の知識は欠かせません。今回は基本に戻って、私たちの体を作る材料でもあり、エネルギー代謝にも必要な、食と栄養素について確認しておきましょう。お食事に向き合うことは、自分の細胞に向き合うきっかけです。
三大栄養素と五大栄養素
一般的な「三大栄養素」とは、
- 炭水化物
- タンパク質
- 脂質
「五大栄養素」とは、三大栄養素+ビタミン・ミネラル。「六番目の栄養素」と言われるのが、食物繊維です。
食物繊維の働き
食物繊維は単に便通を良くするだけでなく、腸内細菌によって発酵され、冒頭記述した「セロトニン」を作り出します。それ以外にも下記の働きをしてくれる大切な栄養素(?)と言えるでしょう。
- 咀嚼を促す
- 糖質の吸収をゆるやかにする
- 脂質、コレステロールの吸収低下
- 有害物質の吸着、排泄促進
- 腸内細菌の環境を良くする
- 整腸作用
- エネルギー源
ビタミン・ミネラルはなぜ必要か
ミトコンドリアの働きについて以前お伝えしました。食事から摂り入れた栄養素(主に糖)と呼吸から取り入れた酸素を使って、私たちの体を動かすエネルギー「ATPアデノシン三リン酸」を産生しているのでしたね。この時に、糖ばかり摂ってビタミンB群やマグネシウム・カルシウムなどのミネラルが不足すると、エネルギー量が減るだけでなく、余った糖が中性脂肪となって蓄えられ、肥満になるというお話でした。肥満は糖尿病のリスクを5倍に、高血圧や痛風のリスクを3倍に上げる、まさしく生活習慣病の元凶です。
ビタミンの種類
ビタミンA
- 目の調節、夜間の視力維持、皮膚・粘膜の健康維持
- 不足すると夜盲症、過剰摂取で、肌荒れや頭痛
ベータカロテン
- 緑黄色野菜に含まれる抗酸化力をもつカロテノイド
- 体内でビタミンAに変換される
ビタミンB1
- 炭水化物からエネルギーを作るときに必要なビタミン、
- 水溶性糖質を分解、皮膚と粘膜の健康維持
- アルコール分解に大量に使われ、不足すると脚気の原因
ビタミンB2
- エネルギー代謝(特に脂肪を代謝するとき)に必要
- 正常な発育に不可欠、不足すると口内炎の原因になる
ビタミンB6
- タンパク質からエネルギー産生、皮膚や粘膜を守る
- ホルモン調節、不足すると口角炎や皮膚炎の原因になる
ビタミンB12
水溶性、赤血球の形成、不足すると貧血
ビタミンC
- 抗酸化力をもち、皮膚や粘膜をサポート
- コラーゲンの合成や免疫力アップに寄与
ビタミンD
- カルシウムの吸収をサポートし、骨への沈着を促す
- 脂溶性ビタミン。太陽光の紫外線照射により、体内で合成できる
ビタミンE
- 抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、
- 細胞の健康維持。多価不飽和脂肪酸は酸化防止剤の役割をしてくれる
ナイアシン(ビタミンB3)
ニコチン酸
葉酸
パントテン酸
イノシトール
日本食のすばらしさを再認識しましょう
日本人の主食お米は優れた栄養バランスをもつ食品です。唯一不足するといわれる、必須アミノ酸の一つが「リジン」ですが、これを補うのが大豆製品、大豆製品の摂り過ぎを調整するのは海草類に含まれるヨウ素なのです。ご飯のおかずに納豆やコンブ豆、みそ汁に豆腐とわかめなど、最高の組み合わせだと思いませんか。
何を食べるかより、どう食べるかがもっと大切
どんなにいい食材を選んでもよく噛まずに早食いをしたら、体の材料にもエネルギーの基にもなってくれません。ながら食べをせず、食に向き合って、よく噛んでいただきましょう。ビタミン・ミネラルがたっぷりで、抗酸化力の高い『AOVA SOD』をプラスしていただけたら完璧です。
私たちは自分たちの体を維持するために動物・植物のたくさんの命をいただいています。農業、漁業、畜産に携わる生産者の方、お料理してくださった方、ありがとうございます。お食事は体にとって今必要な分だけ、感謝していただきたいですね。