花粉症になる人、ならない人【後編】

花粉症対策のイメージ画

あなたには何かアレルギーがありますか?「春になると、鼻がグシュグシュ。眼はショボショボ。花粉症なんです。」─そんな人が4人に1人。もはや花粉症は国民病なのです。

花粉症になる人とならない人

同じ環境で暮らしているのに、花粉症になる人とならない人がいるように、ヒトの免疫力と大きく関わっているようです。免疫がきちんと働いていると、菌やウイルスなど自分の体にとって不都合な異物が侵入してきた時や、自身の体の中に不都合な新生物(ガン細胞など)が発生した時に、免疫細胞がこれを攻撃して自分の体を守ります。ガン細胞をやっつけてくれる「NK細胞(ナチュラルキラー)」は、良く知られています。要は免疫力が低下すると、感染症やガンにかかりやすくなるということです。前回の記事の花粉症発症のメカニズムの部分で、花粉が侵入した時、免疫細胞の一つ「ヘルパーT細胞」が異物と判断すると書きましたが、なぜ無害であるはずの花粉を有害と判断して抗体を作るよう指示してしまうのか、これは免疫力低下により、ヘルパーT細胞が正常に働けなくなったと考えられています。現代人は、子供のころから清潔すぎる環境で暮らしているため、菌やウイルス・カビに対抗して働く免疫の力を身に付けていないことも原因とされ、あえて体の中に微量の菌を入れるBCG(結核のワクチン)接種による花粉症治療も行なわれるようになりました。

花粉症に効く万能薬ってあるの?

健康情報が巷にあふれかえる現代、自分にあった治療法や予防法を見つけ出し、健康を手にいれる人は数多くいます。しかし、中には効くと言ってもごくごく一部の人にしか効果のない対策であったり、しばらくすると淘汰され消滅するような不確かな情報が含まれていることも事実です。伝える側にとって、アレルギーは難しい病の代表格とされてきましたが、ここにきて根治の鍵となる「Tレグ」というかわった名前の免疫細胞を、意図的にコントロールする臨床試験の結果が、将来に向け、明るい兆しを見せていますが、現時点では万能とは言えません。とはいえ昭和30年代まではスギ花粉に対して過剰な免疫反応を起こさなかったのですから、今日からでも生活習慣や食事を見直しましょう。

  1. 症状を悪化させないために
    • マスク・帽子・衣類を工夫し、花粉を持ち込まない
    • 食事内容を見直す(丹羽療法では、免疫疾患系の患者さんへ独自の食事指導をおこなっています)
  2. 食べてはいけないもの
    • コーヒー・ココア・チョコレート(刺激物として症状悪化)
    • 肉・乳製品(免疫の働きを狂わせる)
    • 餅・玄米・ワラビ・たけのこ(ヒスタミン物質を含むため)
  3. 症状を改善させる
    • 天然の抗ヒスタミン物質を摂るルイボスティーには天然の抗ヒスタミン作用をもつ成分が含まれるので、濃縮した物を症状が現れる2か月前くらいから飲む
    • 日本食中心にした献立にし、消化吸収を良くするため、しっかり咀嚼して食べる
  4. 免疫の働きを良くする
    • 活性酸素を除去し、免疫力を上げる抗酸化食品「SOD様作用食品」を摂る
    • 腸を冷やさないよう冷たいものを飲食することをやめ、発酵食品・繊維質の多い食品を摂る(腸内環境を整えることで免疫力アップ)
  5. 子どものころから免疫力を養うために必要以上除菌をし過ぎない