酵素を語る 〜きちんと体に吸収するために〜

青パパイヤのイメージ写真

みなさんは、自分の食べたものが、きちんと栄養として摂り入れられていると思っていませんか?実は、ただ食材を口にするだけでは、体の中へ適切に吸収されるとは限りません。栄養素の塊である食べ物を細かくし、更にきちんと体に吸収されやすい形に変化させる事が出来て、初めて栄養として取り入れる事が出来るのです。この「きちんと体に吸収できる形に変えていく」ためには、噛む事、胃酸が出ている事、そして消化酵素が必要です。私たちの体のあらゆる働きに酵素の中で、今回は食べ物の消化を担う「消化酵素」についてお話しします。

酵素が少なくなると…

消化酵素は、食べ物を切ったり、外したりしながら、分子レベルの微細な形に分解・変換する、ハサミのような働きをしています。こうした消化酵素の働きによって、初めて食材の持つエネルギーや栄養素が、小腸から体内に吸収され、摂り入れられます。
ところが残念な事に、加齢に伴って私たちの体内の酵素は、どんどん減少していきます。食べ過ぎや、消化酵素を多量に必要とする肉や揚げ物、加工食品中心の食生活も、考え直さなければなりません。体内の酵素が分泌されないと、消化不良を起こし、脂肪の蓄積に繋がったり、腸内環境の悪化を招いたりします。更には、細胞自体に必要な栄養素が届かなくなる事で、様々な障害へと繋がっていきます。このように、せっかく栄養豊富な食べ物を食べても、それらが体内できちんと分解・吸収されなければ、私たちの体は元気にならないのです。

酵素をきちんと働かせるためには…

では、消化酵素がきちんと働くためには、どうしたら良いのでしょうか?
一つは、よく噛んで、ゆっくりと、腹八分目に食べる事。咀嚼をする事で、唾液や胃酸がより分泌し、消化酵素の分泌をも促進します。また、食べ過ぎない事も大切です。そしてもう一つは、食べ物に含まれている食物酵素を、積極的に摂り入れる事です。例えば、生の野菜や果物、発酵食品に含まれる酵素は、自らを分解するのに働くだけではなく、酵素が少ない他の食べ物の消化・分解にも、働きかけます。

青パパイヤは「酵素の王様」

酵素を含んだ食品は、星の数ほどありますが、その中で「酵素の王様」と言われているのが青パパイヤです。果物のイメージが強いパパイヤですが、沖縄では100年以上前から、熟す前の青パパイヤが野菜として食べられてきており、医食同源の食材として、長寿に一役買っていました。
未熟果である青パパイヤは、存在する植物の中でも最高の分解酵素を豊富に含んでいます。通常、酵素を含んだ食材の多くは、三大栄養素と呼ばれるタンパク質・糖質・脂肪のうちの、どれか一つだけの分解にしか対応出来ません。しかし青パパイヤは、植物には珍しく「タンパク質分解酵素」「糖質分解酵素」「脂肪分解酵素」の3種類全てを含んでおり、一つの食材で三大栄養素の全てを分解する事が出来る、まさに「酵素の王様」なのです。